2026年、ネイティブアプリを両ストアに出す本当の費用
ストア手数料は安い部分だ。本当の費用は請求書に載らない場所にある。保守、差し戻し審査、そして二つ目のOS。
アプリの公開は25ドルで済む。誰かがそう言ったかもしれない。技術的には間違っていない。Play Consoleのアカウント開設にGoogleが一度だけ請求する額だ。
だがその数字は罠だ。レストランを開く費用は営業許可証の値段だ、と言うのと同じ。許可証は実在する。厨房も、スタッフも、8月に壊れる冷蔵庫も、それでは払えない。
2026年にネイティブアプリを両方のストアに出し、生かし続けるための本当の費用を見ていく。
ストア手数料はリストで一番小さい項目だ
AppleはApple Developer Programに年99ドルを請求する。払わなければアプリは消える。買い切りではなく家賃だ。
GoogleはPlay Consoleの開発者アカウント登録に、一度だけ25ドルを請求する。一生に一度払えば終わりだ。
合計で初年度の公式手数料は約124ドル。この数字を覚えておいてほしい。誰もが知る唯一の費用であり、最も重要でない費用だ。
一つではなく二つのアプリだ
予算を壊すのはここからだ。「両ストア向けのネイティブアプリ」と言うとき、二つのOS、二つの基盤言語、ルールの異なる二つの審査チームを持つ二つの製品を求めている。
iOSはSwiftとXcode。AndroidはKotlinとAndroid Studio。道具が違い、ビルドの周期が違い、バグも違う。片方で壊れたものが、もう片方では壊れない。
React NativeやFlutterのようなフレームワークはコード共有を約束する。役に立つし、私たちも使う。だが問題は消えない。iOS向けのコンパイルにはMacが必要で、両側のアカウントが要り、両方の実機でテストする必要がある。Pixelで動く決済画面が、ノッチ付きのiPhoneでは壊れる。必ず壊れる。
よくある光景はこうだ。一つのアプリを見積もり、実際には一つ半を受け取る。後半は、クライアントがAndroid版を開いてキーボードがログイン欄を覆っているのに気づいたときに現れる。
どの請求書にも載らない費用
きれいな見積もりに収まらないという理由で、最初は誰も見せない出費がある。3か月で死ぬプロジェクトと、生き残るプロジェクトを分けるのはこれだ。
- 差し戻し審査。AppleはApp Store Review Guidelinesを厳しく適用する。理由づけの甘い権限要求、アカウント削除ボタンの欠落、それでアプリは戻ってくる。一往復ごとに数日が止まる。
- Mac。AppleのハードウェアなしにiOSのビルドはできない。なければ購入か、月額請求のクラウドCIサービスだ。
- プッシュ通知。AndroidにはFirebase、AppleにはAPNs証明書が要る。それぞれが固有の壊れ方をし、期待するほど自動では更新されない。
- 年次保守。iOSとAndroidの新バージョンが出るたびに何かが壊れうる。更新しなければ、新しい端末にインストールできなくなるまでアプリは劣化する。
- プライバシー対応。AppleのApp Privacy、GoogleのData Safety。収集するものを申告し、GDPRの下で実際にそれを守る必要がある。
では、正直な数字を
存在しない会社の架空の請求額をでっち上げはしない。だが実際のプロジェクトで見る費用の構造なら示せる。
公式手数料は初年度で約124ドル。開発は規模次第で、お金の九割はここにある。保守はビルド費用の一定割合が毎年、際限なく繰り返されると考えてほしい。
クライアントに伝える心構えは単純だ。公開は晩餐ではなく結婚だ。入場の費用は楽な部分。重いのは継続の約束だ。
安い道があり、それが正解のこともある
すべてがネイティブである必要はない。Progressive Web Appはブラウザからインストールでき、単一のコードベースで両OSを動かし、ストアの手数料と審査を回避する。多くのビジネスには、これで十分すぎる。
失うのは、ストアに並ぶという印、ハードウェアへの一部の深いアクセス、そしてApp Storeのアイコンが今なお伝える信頼だ。アプリが信頼を売る、あるいはiOSで確実なプッシュ通知を必要とするなら、ネイティブを選ぶことになる。
正しい問いは「両ストアに出すといくらか」ではない。「本当に両ストアが要るのか」だ。まずそれに答える。どんな価格交渉よりも節約になる。
保守の行が一行もないアプリの見積もりを見せられたら、それは費用を隠しているのではない。半年後、あなたが署名し終えたあとへ先送りしているのだ。